目が醒めて部屋のカーテンを開けると雪が舞ってた。
見なかったことにした。
乾かないんだろうなと思いつつもとりあえず洗濯。
こんな日は自動洗濯機を発明してくれたに感謝したくなる。
その後は外出することも出来ず本を読んだり昼寝したり。
晩御飯を買いに部屋のドアを開けるとそこは白銀の世界。
見なかったことにすると一日ご飯を食べなかったことになるので
意を決していざほか弁へ。
閉まってた。
月明かりに照らされて青白く輝く雪道に浮かぶ一筋の足跡。
いったい何処から来て何処まで続いてるんだろうか。
行き着く先が暖かな場所であってほしいと、ふとそう願った。
電線に降り積もった融けかかった雪が
9.8m/ssの加速度で頭上に落ちてくる。
避けようのない冷たさが何故か不快に感じない。
人通りのなくなった細い道の片隅に、小さな明かりが雪を被った小さな植木を励ますかのように、暖かな光で彼らを包み込んでいた。
春の到来を待ち望むその植木は、すぐ傍にいる小さな明かりのささやかな温もりに気付いているのだろうか。
フィラメントが切れてしまう前にどうか気付いてくれればと願ったとき、胸の奥が締め付けられる感覚を覚えた。
日曜日は晴れるみたいだから外出したいな。