「いま、会いにゆきます」や「恋愛寫眞―もうひとつの物語―」の著者である
市川拓司さんの著書。
実は今、読み直し中だったり。
市川拓司さんの作品は現在までで6タイトル出版されてて、今までに「いま、会いにゆきます」、「恋愛寫眞」、「弘海 ―息子が海に還る朝 」、「世界中が雨だったら」を読んでたんだけど、今回やっと重い腰をあげることができた。
市川拓司さんの著書って結構みんな、序盤はとてもニュートラルなんだよね。平々凡々な日々を暮らしてきた主人公が物語のキーパーソンとなる人物とめぐり合うってトコからはじまるのはこの作品も例外じゃなかった。
ストーリーを構成する要素として"水草"や"陸上競技"というものが出てくるんだけど、実はこれ、市川拓司さんの実際の趣味みたい。市川さん本人も昔陸上競技やってたらしいし、ご自宅ではアクアプランツをされてるみたいだし(市川さんご本人のブログに載ってた)。
陸上競技に関しては市川さんも思い入れがあるのかな。
「いま、会いにゆきます」でも"たっくん"が陸上競技やってたって設定だったし…。
中盤までのストーリーはほのぼのとした雰囲気で展開されるんだけど、終盤"キー"になってくる要素がところどころにさりげなく散りばめられてるんですょ。
ストーリーも後半をすぎたあたりから話は急展開を見せる。
「いま、会いにゆきます」では"澪(みお)"の「この世への滞在期間」が判明するって設定だったけど、そこんトコは「そのときは―」も似たような感じだったなぁ。
終盤、「いま、会いにゆきます」は澪が消えてしまう。「恋愛寫眞」は静流が病気で死んでしまうといった"切ない"設定になってるけど、この作品は最後の最後でハッピーエンドにしてくれた。
恋愛小説って結構「最後を切なくさせて、作品に対する思い入れを強くさせる」って意図がある(あるの?)けど、「そのときは―」は嬉しくなるほどみんなが幸せになってくれてとても嬉しかった。
"切なく―"ってのもいいんだけど、ぼくの場合感情移入しすぎちゃうから、ハッピーエンドで終わってもらったほうが楽でいいw
それにしても市川拓司さんの作品って、暗喩が綺麗なんだよね。
すぐに思い浮かぶ言い回しは、「ちっとも甘くないザットハルテ」と「閉所恐怖症の宇宙飛行士」。
やっぱり「恋愛寫眞」ばっかりになっちゃうな(^-^;
市川拓司さんの作品は、これであと「Separation」だけになってしまった。
太宰治の「斜陽」を読まなくちゃいけないし、本多孝好さんの本も読み直さないといけないし…。
だんだかんだでやっぱり忙しいなw